■前談
初めまして、ポケモンカードプレイヤーのあむ(@4mutaaan)です。
初めましての方も多いと思いますので簡単に自己紹介をしますと、主に2013年~2015年頃の活動がメインで最近はあまり大会に参加出来ていませんでした。
最近だとチャンピオンズリーグ2018横浜3位が最高成績です。
今回はチャンピオンズリーグ2019新潟で結構話題になった「ゲッコウガGX,メガニウム,ラグラージ」(以下カエループ)について記事を書こうと思います。呼び方は人それぞれなので、好きに呼んでください!メガニウムゲッコウガラグラージが純粋に長すぎるだけです…
また今回掲載するデッキレシピは主にイトウシンタロウ(以下とーしん@1483toushin3069)が作成し、当日は自分ととーしんの2人が使用したものになります。
戦績
あむ:8勝2敗 予選22位(内1敗はイトウシンタロウ)
とーしん:9勝1敗 予選5位 決勝トーナメントbest16
戦績に関しては入賞も出来ておらずそんなに目立ったものではないですが、使用率に対しては勝率がそれなりに良かった&話題性バッチリのデッキだったため今回記事を書くことにしました。
今回の記事はありがたいことにポケモンカード情報まとめ(@pokecamatomeru)さんへの寄稿という形なので、普段以上に構築やプレイングに関して深い所まで書いていこうと思います。
長文になりますが最後まで読んでいただけるととても嬉しいです。
1.なぜ今回のデッキを使用したか
■CL新潟の環境予想
個人的なCL新潟環境の予想としては
・Tier1
ジラーチサンダー(雷軸)
ジラーチサンダー(レインボー軸)
ズガドーンアーゴヨン
・Tier2
グレイシアGX系統
ジュナイパーGX系統
マッシルガン
ルガゾロ
ギラティナ+カラマネロ
・Tier3
その他諸々
ジラーチサンダーが最も使用率が高く、次にズガアーゴという予想の元、上位プレイヤーがそれに対するメタデッキを握ってくると考えました。
メタデッキの中で多いものとしては
①環境を意識したジラーチサンダー
└アブソル、ゼラオラ・カプコケコ・サンダースなどのGXを採用した型
②アローラベトベトンを組み込めるタイプのデッキ
└ズガドーンアーゴヨン、ルガゾロなど
③満タンの薬やアセロラが入る高耐久GXを軸にしたデッキ
└アロキュウジュナイパーやソルガレオGX、グレイシアシャワーズなど
■ゲッコウガループ使用理由
環境予想を踏まえ、これらのデッキに対して総合的に勝率が出せるデッキを使用デッキとして選択することにしました。
ある程度の相性理解や細かい構築の変更を行い、新潟1週間前に候補になったのはアロキュウジュナイパー、グレイシアシャワーズ、カエループ。
カエループが使用候補に上がった経緯ですが、ジラサン相手に有利に立ち回れるデッキとして
・HP高いポケモンで耐久しながらサイドを取られないようにする
・ジラーチの動きを制限し、ゲームテンポをこちらに引き寄せる
・技以外の方法でサイドを取り、サイド差をつけられないようにする
・非GXでアサルトサンダーを耐える
これらの条件から、まずHP150以上の非GXポケモンを使用するというアプローチから始まりました。
HP150はアサルトサンダー80+エレキパワー2枚の140ダメージを耐える基準値です。
これらの条件を満たしていたのが、他デッキで使用していたメガニウム・ラグラージです。
この2枚を元に、上記の条件と他デッキ相手にも勝率がキープできるカードとして候補になったのが「ゲッコウガGX」でした。
ただCL新潟1週間前時点でのカエループに関しては構築がまだ定まりきっておらず、その時点でかなり良い出来だったアロキュウジュナイパーを使用する予定でした。
しかし新潟3日前くらいにとーしんが「え?これ誰も使わないのもったいなくね…」って不満そうに言ってたので使うことに。
そこからはひたすらカエループを練習し、大きく構築が変わってかなり洗練されたものになったと思います。
結果としてCL新潟ではブイズGXやジュナイパーGX系統は少なく、ルガゾロやレックGX系統が予想以上に上位に残っていた印象です。
レックGXとルガゾロの評価に関しては甘く見ていた部分がありましたが、レックGXは五分・ルガゾロは有利なのでゲッコウガループを使用したのは環境的に正解だったと思います。
2.プレイングに関して
【参考動画】
実際にとーしんが配信卓で使用した際の動画
元世界チャンプのヤバすぎるゲッコウガ!!チャンピオンズリーグ2019新潟
こちらは海外の有名プレイヤーが予想レシピで回したもの
CRAZY GRENINJA GX deck! FOUR STAGE 2’s! Meganium / Swampert / Greninja GX / Slaking deck profile!
百聞は一見に如かずということで、まだデッキを実際に使用している所を見ていない方は是非上記の参考動画をご覧ください。
デッキコンセプトは、メガニウムの特性「そうじゅくハーブ」を軸に、ドローソースとしてのラグラージを複数体たてデッキを圧縮し、「そうじゅくハーブ」でゲッコウガGXを立て毎ターン超ブーストエネルギーで「おぼろぎり」を打ちデッキに返る盤面を作るデッキです。
■カエループに関して
基本的にまずメガニウムとラグラージを立てながらゲッコウガGXの「おぼろぎり」を毎ターン打つための下準備をします。
デッキ構築も主に序盤の安定と、いかにデッキを早く無くすかに重きを置いて構築しています。
序盤のキーカード
アローラキュウコンGX,アローラロコン
アローラロコンの技「みちしるべ」、アローラキュウコンGXの特性「ふしぎなみちびき」で盤面を揃えに行きます。
アローラロコンにアクセスできるカードは比較的多く、後攻の場合はポケモン入れ替えやグズマを使用してアローラロコンの技を狙いに行きます。
メガニウムとラグラージのどちらを優先するかですが、立てる優先度としては手札の状況と相手の展開速度次第です。
基本的にメガニウムも合わせて立てられるよう狙いましょう。
カエループに入るまでのキーカード
ラグラージ、ダート自転車、ハンサムホイッスルなどの圧縮カード
中盤以降は「超ブーストエネルギー」へのアクセスと、デッキ枚数をできる限り掘ることを重視します。
とーしん構築に入っていたハンサムホイッスルとハンサムも、アロキュウGXからサーチして使うというより、パワードローで引いた際にデッキを即時圧縮出来るカードとしての意味合いの方が強いです。
■カエループ時の壁
おぼろぎり使用後の壁となるのは
「アローラキュウコンGX:鋼弱点HP200」「メガニウム:炎弱点HP150」「ラグラージ:草弱点HP160」「ケッキング:闘弱点HP160」「ポリゴンZ:闘弱点HP130」「ゲッコウガGX:草弱点HP230」
壁とは書いていますが、ゲッコウガGX以外は生き残ればラッキー、倒されてもまぁ良いや程度の感覚です。
アローラキュウコンGXは最初壁にして1撃耐え、アセロラで戻してからパワードローで大体トラッシュします。
特にラグラージは壁として優秀で、ジラーチサンダーなどのデッキタイプがHP160を突破するためにエレキパワーなどのリソースを割くと、ゲッコウガGXや他のHP150以上が倒されにくくなるのでサイドレースが楽になります。
メガニウムやラグラージはアセロラで手札に戻せばすぐに無傷の状態で出てくるので、対戦相手からするとかなり厄介なデッキですね。
壁と入れ替える手段
ポケモン入れ替え、アセロラ、グズマの3種類です。
相手のバトル場にいるポケモンにゲッコウガGXで殴りたい場合は入れ替えorアセロラ、後ろを狙う場合はグズマを使用します。
■最後のフィニッシュに関して
①ゲッコウガGXのGX技
「シャドーアサシンGX」は相手のベンチに130ダメージを飛ばす技です。
ふうましゅりけんを2回乗せるとベンチの190GXまで簡単に取ることが出来るのでフィニッシャーとしても優秀です。
②ラグラージ
配信でもフィニッシャーはラグラージでしたが、基本的にこのデッキはGX相手の場合こいつで最後のサイドを取ります。
技「ハイドロポンプ」は超ブーストエネルギーをつけることで基礎打点が80+80=160になります。
メガニウムが2ライン立っている状態であれば、何もない所からゲッコウガGXの30点飛ばしが2回と、こだわりハチマキ「ハイドロポンプ」で最大250ダメージが出せます。
③メガニウム
あまり使用されることは少ないですがメガニウムも超ブーストエネルギー対応です。
基礎打点が110なので、草弱点のGX(ルガルガンGX,シャワーズGXなど)に対してはこいつでフィニッシュを決めることが出来ます。
④ポリゴンZ
このカードは自分の構築のみなので、まだあまり話題になっていないカードだと思います。
基本的にこのカードはジラーチサンダー以外の大体のマッチアップで使用しました。
ゲッコウガで後ろと前にばら撒きながら、初期化でサイドを取る。
詳しい採用理由や使い方は構築に関してで記載します。
■プレイングのTIPS
ループに入るまでのターン数
基本的な目標は4ターン目からゲッコウガGXで殴ることです。
盤面への大きな干渉がなければ4ターン目に殴れますが、システムのメガニウムやラグラージが倒されている場合は5ターン目から殴り始めることもあります。
4~5ターン目を目安にプレイしてみてください。どうしてもそれが出来ない場合はアローラキュウコンGXの使い方や初ターンの動き方を見直した方がいいかもしれません。
パワードローで切るカード
このデッキには状況次第で切れるカードと切れないカードがあります。
ここに関しては慣れの一言になってしまうので、最初の頃自分がよくしていたプレミとしてネストボールとグラジオがあります。
このデッキはレスキュータンカを3枚戻す効果で使用する場合があります。その際にすぐラグラージやメガニウム、ゲッコウガといったラインをたてるため、ネストボールが必要になる場合があります。
またグラジオは後述しますが、このデッキにおいては重要なキーカードであるため超ブーストがデッキにあるからといって切っていいカードではありません。
レスキュータンカ
基本的にラグラージやメガニウムラインの救出、ゲッコウガラインの救出、タッチラインの救出に使います。
ラグラージが盤面に2体いれば、レスキュータンカのデッキに3枚戻す効果を使用しながらループが確定で出来るので、覚えておきましょう。
盤面に超ブーストエネルギーを残すプラン
ハイリスクであり、ほぼ負け確の盤面になった際に取るプランです。
ゲッコウガGXのループだと負けが見えている状況の場合、GX技を一回挟んだりラグラージをメインアタッカーに切り替えるプランです。
盤面に超ブーストエネルギーを残してしまうため、改造ハンマーなどの危険性やカプコケコGXのGX技で倒される危険性などあります。
とはいえそのリスクを取ってでも勝てない場合はこういったプランを取ることもあります。
ラグラージに超ブーストをつけて殴るプランですが、改造ハンマーさえなければダメカンが乗るとアセロラで超ブーストエネルギーを再利用できるので有り得ない選択肢ではないことを頭の片隅に置いておくといいと思います。
■特定のデッキ相手のプレイング
ジラーチサンダー
相手のカプコケコGXを誘いだしましょう。
ラグラージやメガニウム相手にエレキパワー3枚アサルトサンダーをすると、相手はそれ以降のラグラージなどを突破することが難しいため、カプコケコGXが出てきます。そこを風魔手裏剣30+ハチマキおぼろぎり140で倒せれば基本大丈夫です。
またゼラオラはHP190で一撃に持っていけないので、3エネ(もしくは2エネマウンテン)無傷の状態で殴られ始めるとかなり厳しいです。
そのためゼラオラがプレイされている場合は、30+30+140もしくはハチマキラグラージで最後取り切る用として意識しプレイしましょう。
ズガドーン
ズガドーンが出たら倒す。いなければアセロラで頑張る。以上です。
相手は4枚まではサイドを取りやすいですが、残りの2枚をズガドーンなしで取るのは難しいです。
そのためその状況でアーゴヨンが活躍する80(ビーストエネ残っている場合は110)以下のポケモンがグズマなどで倒されないよう意識しましょう。
グランブル
グランブルは打点が160に届く非GXなので慣れていないと厳しいです。
グランブルラインは基本的に盤面に2ラインだと思います。マグカルゴやヤレユータンには触れず、110,30を交互にのせ一気に2ライン倒すことで後続が立たないターンを作り、サイド差有利を狙いに行きましょう。
3.構築に関して
ここからはデッキレシピの詳細と構築経緯に関してです。
今回は初期の構築からの変遷と、最終的にあむとーしん間でなぜ全く同じデッキで出なかったのかを理由とともに解説したいと思います。
これらのデッキレシピを見比べながら自分なりの構築の作り方の参考になれば幸いです。
■デッキレシピ紹介と変遷
初期の構築
このタイプのデッキレシピ自体は完全なオリジナルではなく、元から極一部ですが使用されていたデッキタイプを参考にしています。
初期構築からの変更経緯
今回のデッキに関して、初期の構築段階では仮想敵相手のプレイが定まっていなかったこと、デッキを掘る速度が遅かったことがデッキレシピとしての問題点でした。
その両点に関して試行を重ねた結果、「ケッキング」や「ポリゴンZ」に辿り着いたことで解決しました。(理由は後述します)
初期構築から「グレイシアGX,アローラキュウコン,余計なエネルギー」などのカードが不要となり、その分デッキを回すカードに割くことが出来たため、デッキとして完成度が上がりました。
また、ダイゴの決断に関しては直前までこのデッキに合うカードという認識でした。
超ブーストエネルギーやアメ、進化ラインを確実に持ってこれるのでかなり強いカードです。
しかしジラーチサンダーの台頭によってジャッジマンやマーシャドーを投入するデッキが増えていることが逆風でした。
ダイゴの決断をプレイすると、相手は通常であればシロナを選択するような場面でもジャッジマンやマーシャドーを無理矢理プレイしてくる頻度が高かったためです。
このデッキ自体中盤以降のジャッジやマーシャドーに対しては強いものの、序盤は厳しいため相手の意識をそちらに寄せてしまうカードは不採用としました。
これらのカードの代わりとなったのが「ダート自転車」「アローラキュウコンGX」「アローラロコン」と言った展開を促進するカードたちです。
他にも色々な候補カードがありましたが、そこは最後に紹介しようと思います。
最終的な構築
あむ
公式サイトでデッキを編集
とーしん
公式サイトでデッキを編集
(公式大会で使用したものはHP60ミズゴロウでしたが、ウツギ構築から変えたのが前日でHP70ミズゴロウが用意できなかっただけです。)
ここからは自分ととーしんの構築の違いをメインの論点とし、どういう意図で違うのかを解説していきたいと思います。
■2人のデッキレシピの差分に関してデッキレシピ紹介
①ポケモンのタッチラインの違い
とーしん(ケッキング)
あむ(ポリゴンZ)
②サポートグッズの違い
とーしん(ハンサム+ハンサムホイッスル)
あむ(マサキの解析+ウツギ博士のレクチャー+プレイヤーズセレモニー)
①ポケモンのタッチラインの違いに関して
・ケッキング
特性 なまけがお
このポケモンがバトル場にいるかぎり、相手の場のポケモンの特性(「なまけがお」をのぞく)は、すべてなくなる。
ワザ 無無無 はめつのいちげき 160
このポケモンについているエネルギーを、1個トラッシュする。次の自分の番、このポケモンはワザが使えない。
・ポリゴンZ
特性 しょきか
自分の番に、このカードを手札から出して進化させたとき、1回使える。相手の進化しているポケモン全員の上から、それぞれ「進化カード」を1枚はがして退化させる。はがしたカードは、相手の手札にもどす。
ワザ 無無無 でんじほう 80
次の自分の番、このポケモンは「でんじほう」が使えない。
【この2枚にたどり着いた経緯】
初期の構築段階では自分たちの候補デッキでもあったアロキュウジュナイパーというデッキタイプに勝つことが難しいのが問題点でした。
アロキュウジュナイパーはプレイスキルが高い人だとズガドーンやジラーチサンダーに有利がつくと考えており、一定層上位に入ってくると想定していたデッキだったためここを切るという選択肢はありませんでした。
そのため初期段階ではGXの特性を止めることが出来るグレイシアGXを壁にするタイプや、GXから攻撃を食らわないアローラキュウコンなど様々な壁カードを模索していました。
その中でチームメンバーの方が見つけたのがケッキングとポリゴンZという2つのアプローチです。
この2つはどちらもジュナイパーに対して効果を発揮するだけでなく、他のデッキに対しても効果的でありかつ非GXということで、この2つのアプローチを元にデッキの概要が決まりました。
それぞれの選択理由については以下に記載します。
【ケッキングの選択理由】
上記のジュナイパー以外でも、どの試合でもバトル場に出すことさえ出来れば1ターンの猶予を得やすいカードでした。
特にジラーチ(ねがいぼし)やゾロアーク(とりひき)、マグカルゴ(じならし)、テテフ(ワンダータッチ)など相手の手札を強くカードを止めることが出来ます。この状況下でHP160のケッキングを突破するのは難しく、相手のプレイの幅をかなり狭めることができるため採用しました。
グズマによって特性ロックは解除されてしまいますが、相手がグズマにサポート権を使用する(アセロラやククイ、その他ドローサポートが使われない)ことや、後ろが倒されるだけならケッキングによる壁が継続することからそれほどのデメリットはありません。
また、ケッキングを壁にするというアプローチに至ったおかげでデッキ構築上バトル場とベンチを入れ替えるカードを増やす必要性が出ました。
そのためにグズマアセロラだけでなく「ポケモン入れ替え」を採用しましたが、このカードを増やしたおかげで序盤にアローラロコンの技「みちしるべ」に繋がりやすくなったのも構築が一段階強くなる要因になりました。
【ポリゴンZの選択理由】
①こっちの方が楽
恐らくこの記事読んでる方であれば大体の方は知っていると思いますが、とーしんというプレイヤーはプレイ技術が国内でもトップレベルに高いです。
特にポケモンカードにおいて「受け側のデッキを使う」のは「攻め側のデッキを使う」より比較的難しいと考えています。
なぜならば受け側のデッキに関してはケアするカードの多さや、数ターン先までのプラン立てが相手に依存するため、思考の幅広さや速度が必要になってくるからです。
タッチラインに関してケッキングは受けよりのデッキになり、相手の行動を考慮しながら(特にグズマされた場合など)戦わないといけないので、自分の行動を押し付けられるポリZの方が使いやすいと考えました。
実際にケッキングプランだと相手も悩む時間が発生するので、こちらが早くプレイしないと制限時間の問題が出てきます。自分はそこに関しては正直に自信がなかったので、今回はケッキングを選択しませんでした。
構築は自分の身の丈にあったものにするのも大事な要素です。
②勝ちやすくなる相手の存在
勝ちやすくなる範囲としては主に「ふしぎなアメ」を用いたデッキ、「ゾロアークGXやブイズGXなどタネがHP60のデッキ」です。
特に自分が困ったのは上手いプレイヤーが使うジュナイパーGXを軸にしたデッキでした。(アロキュウジュナイパーや、ジュカインジュナイパーなど)
フェザーアローや白銀の風で2枚取りされたり、草弱点のゲッコウガGXとラグラージが壁になりにくいといった点です。
ここに関して自分の頭ではケッキングを使って超えることが出来なかった(ジュナイパーのデッキ構築として考えられるまんたんやアセロラやライフフォレストを考慮するとプレイングが難しい)ので60さえ乗せれば手軽にジュナイパーラインをぶっ潰せるポリゴンZは最高です。
また、冒頭の環境予想で述べた通り、ジラーチサンダーが台頭したことによって中打点に対して強い構築(アセロラや満タンを多投した高耐久GX)を使うプレイヤーが一部上がってくると考えました。
これらの2進化構築はウツギ博士を前提にしており、タネのHPが60であるため風魔手裏剣2回とポリゴンZで複数ライン落とせるのが魅力です。
ここの環境に関しては少し読み違えた部分がありましたが、結果的に想像よりゾロアークGXを採用したデッキが上位に多くポリゴンZが活躍する試合も多かったので間違ってはいなかったと思います。
③タッチをズラす強さ
イトウシンタロウというプレイヤーは結構有名です。
大型大会に参加すれば1,2回戦で大体みんなが調査しデッキがバレます。さらに勝ち上がればほぼ配信卓に呼ばれるわけです。
こうなると上位層のプレイヤーに対してはこのデッキに対するプランが早めに練られてしまいます。(メガニウム倒されるとかなりキツイ、中盤以降1ターンの最大値がバレるなど)
注目度や勝ち上がることを前提に考えると、「あむとーしん」がやべえデッキ使ってるぞとなるのはまぁ想像がつくので細かい部分は少し変え、不必要な警戒を相手に強いることにしました。
スペース的に入らないものの、このデッキ相手にケッキングもポリZも警戒しながらプレイするの嫌じゃないですか?そういうことです。
実際に5回戦のvsドラゴラーさん(ゾロアークアロキュウジュナイパー)ではそれがぶっ刺さりポリZで一気に流れを引き寄せ勝ちました。
とーしん君の配信見てたのに、ケッキングがZに置き換わってるのはずるい
— ドラゴラー (@gurendragora41) 2018年12月3日
こういうことです。
②サポート・グッズの違い
とーしん(ハンサム+ハンサムホイッスル)
あむ(マサキの解析+ウツギ博士のレクチャー+プレイヤーズセレモニー)
どっちもデッキを早く掘りきるためのアプローチとしての採用になります。
・とーしん版
ハンサムホイッスル=ハンサムを2枚加える&ハンサムで3枚
1枚で計5枚山を圧縮することが出来ます。
・あむ版
マサキの解析、プレイヤーズセレモニー、どちらも2枚加えることが出来ます。
こちらのアプローチに関しては、瞬間的な山圧縮の枚数より、先にラグラージを立てたいと言う意思が大きいです。
そのためサポート枠もウツギ博士に枚数をさき、なんとしても盤面を作ろうという意図になります。
パワードローが1ターン早く立てばその分デッキを3枚圧縮することができるので山を圧縮するという観点からいうと大きな違いはありません。
■その他入れ替え候補だったカードたち
ともだちてちょう
とーしんのケッキング型は入れ替え枚数が多くなるため、入れた方がいいです。ポリZの場合サイドの取り方がグズマアセロラの枚数にそれほど依存しないので、てちょうの必要性がないと考えました。
ダイゴの決断
デッキレシピの経緯で解説した通りです。ジャッジマンやマーシャドーが減れば候補になると思います。
ワンダーラビリンス
超ブーストの効果のおかげでラビリンス下でもゲッコウガやラグラージは殴れるのでシナジーは◯。
しかし相手のアロキュウGXを止められなかったり、ジラサン相手は相手がエネプールする余裕が出ることを踏まえて不採用。
CL10回戦を踏まえて対策カードよりデッキを回すカードを増やしたかったというのもあります。
アカギプリズムスター
条件の水ポケモンをクリアするのはかなり簡単なので、非常に強力なカードです。
ジュナイパーGX対策として採用していましたが、ケッキングやポリゴンZにたどり着いたため必要なくなりました。
今後の流行デッキ次第ではまた再登場も視野に入ると思います。
■サイド落ちに関して
ツイッターでも軽く触れましたが、改めて構築が出たので書きます。
今回のCL新潟は事前情報として「制限時間25分、予選10回戦」であることがわかっていました。
ゲッコウガループはデッキの仕様上ループに入るまでは自分も時間を使いますし、相手も初見の場合プレイが歪むので時間を使ってしまいます。
ですので前提として「自分の使用する時間を極力少なくする」必要がありました。
とーしんも普段のデッキタイプよりかなり早くプレイしているのが動画でもわかると思います。自分もそうする必要があり、その中で特に気をつけたのがサイド落ちの管理でした。特にこのデッキタイプは通常よりデッキを回すことやサイドを取りきるまでのプラン立てに頭や時間を使うので、それ以外の要素で頭を使うことを極力避けるべきだと考えました。
今回の構築を改めてみると、ポケモンラインもかなりわかりやすくなっており、サポートやグッズは4枚か2枚、ピン差しは極力少なくなっているのがわかると思います。
このデッキはデッキの中身を大体初ターンに見れるので、その時点でサイド落ちの確認を行いました。特に意識したのはピン積みの確認、サポの確認、入れ替え・ふしぎなアメ・レスキュータンカの確認、ポケモンラインの確認です。
なぜサイド落ちを把握するかと言うと主に以下の理由があります。
・超ブーストエネルギーがサイドにあるかどうか
┗実はあるとグラジオが確定超ブーストになるので楽だったりします。
・ポケモンとタンカの落ち方によって回し方、トラッシュしていいものが変わってくる
┗パワードローは手札を1枚トラッシュしますが、このデッキにおいてトラッシュしていいカードはそう多くありません。
・グズマアセロラ入れ替えの落ち方で攻め方が変わる
┗上記と同じですが、特に自分の構築は友達手帳を入れていないのでこの部分は重要です。
・グラジオが優秀なサポートに変化する
ためです。
デッキの性質上グラジオは入れないといけない(超ブーストエネルギーのため)かつサイドに落ちているものがわかると、サイドを取りきるプラン立てがしやすくなるので、このデッキを使う際は重要です。
4.最後に
今回の記事はいかがだったでしょうか?
今回は使用デッキに関して、構築やプレイの思考を詳細に言語化出来たと思います。ここまで読んでくださった皆様にも何かしらの気付きや発見があれば幸いです。
この記事が出る頃にはタッグボルトが発売されていると思うので、タッグボルト以降のこのデッキに関しても少し触れて終わりにしようと思います。
まだタッグボルト自体が発売されておらず、正直どのようなデッキタイプが流行るかはわかりません。
基本的にTAGTEAMを使用する側と対策する側になると思いますが、TAG TEAMには今の所水弱点のポケモンがいないのでこのデッキタイプだと一撃で倒すことが難しいです。
ナマコブシを壁に採用しTAG TEAMを見たり、こちらが壁としてTAG TEAMを使用するのも面白いかもしれませんね。
タッグボルトではポケモン通信の登場もあるので、メガニウム&ラグラージの組み合わせ自体は幅広く活用できると思います。
タッグボルト環境ではまた新たな2進化と組み合わせるようなデッキもあり得るのではないでしょうか。
以上で今回の記事の締めといたします。
構築や大会の考え方について参考になれば嬉しいです。
記事を掲載していただいたポケモンカード情報まとめ(@pokecamatomeru)さんありがとうございました。
何か質問があればとーしん(@1483toushin3069)もしくはあむ(@4mutaaan)までお気軽に。(全て答えられるわけではありませんが)
コメント
とても参考になりました。